こんにちは。鍼灸師として独立したばかりの方、あるいは業務委託で働き始めたばかりの方にとって、「経理」はちょっと難しそうな響きかもしれません。
でも大丈夫。
この記事では、個人事業主・業務委託・フリーランスとして活動する鍼灸師さんが**「最低限ここだけは押さえておきたい!」**という経理の基本を、やさしく解説していきます。
1. 鍼灸師の働き方と経理の関係
一口に「鍼灸師」と言っても、その働き方はさまざまです。
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自分で治療院を開業している(個人事業主)
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シェアサロンや委託で働いている(業務委託型)
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出張専門・美容鍼中心でフリーランスとして活動している
これらの働き方に共通しているのは、「確定申告」や「経費管理」は自分で行う必要があるということ。
誰もやってくれません。でも、味方になってくれる道具や知識はたくさんあります。
2. まず最初にすること|開業届&青色申告承認申請
✅ 開業届の提出
個人で仕事を始めたら、原則1ヶ月以内に税務署に「開業届(個人事業の開業・廃業等届出書)」を提出します。
これであなたも晴れて「個人事業主」に。
税務署の窓口で提出、もしくはe-Taxでも可能。
✅ 青色申告承認申請書
こちらも同時に提出しておくのがおすすめ。
「青色申告」は控除額が大きく、最大65万円の所得控除が受けられるので、税金がグッと抑えられます。
3. 経費になるもの・ならないもの
経理の基本は、「収入から経費を引いたものが所得」という考え方。
✨経費として認められるものの一例
費用項目 | 例 |
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施術用具 | 鍼、もぐさ、ていしんなど |
消耗品 | タオル、オイル、消毒液 |
衣類 | 白衣、施術着(※仕事専用に限る) |
交通費 | 出張先への電車・バス代(自家用車のガソリンも可) |
家賃 | 自宅サロンの場合、一部が経費にできることも |
通信費 | 予約用スマホ、LINE公式アカウント等 |
研修費 | セミナー・講習会・専門書籍 |
広告費 | チラシ、Web広告、Canvaの有料プランなど |
💡**「仕事のために使ったか」が判断基準。**
領収書は必ず取っておき、レシートにも用途メモをしておくと後でラクです。
4. 会計ソフト・アプリで経理をラクに!
経理は手書きでもできなくはありませんが、現代はクラウド会計ソフトがとても便利。初心者でも簡単に導入できます。
🎯おすすめソフト&アプリ
サービス名 | 特徴 |
---|---|
やよいの青色申告オンライン | 初心者に優しく、青色申告対応。無料プランあり |
freee(フリー) | スマホで完結、銀行・カード連携が超便利 |
マネーフォワードクラウド | 収支管理がしやすく、分析も得意 |
レシート撮影で記帳完了、なんて機能も。使わない手はありません。
5. 確定申告って何するの?
📅時期は?
毎年 2月中旬〜3月中旬が申告期間。
📌必要な書類・準備
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開業届・青色申告承認申請書(初年度)
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売上の記録(現金、銀行振込、クレジット等)
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経費の記録・領収書
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会計ソフトのデータ(印刷 or e-Tax提出)
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マイナンバー
e-Taxでの申告なら、書類の郵送も不要。マイナンバーカード+スマホで完結します。
6. よくある質問Q&A
Q. 業務委託でも経費って使えるの?
A. はい。報酬をもらって活動している=事業収入なので、経費処理は可能です。
Q. 自宅で施術してるけど、家賃は経費になる?
A. 条件付きでOK!
専用の施術スペースがある場合、**家賃の一部(面積・使用時間按分)**が経費にできます。
Q. 領収書がない場合は?
A. メモ+日付+金額+使途を自分で記録しておけばOK。
ただし高額なものや家電などは証拠を残しておくのがベター。
7. 開業1年目の私がやってよかった経理習慣
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事業用口座とクレジットカードを分けたこと
→ プライベートと切り分けるだけで管理が激ラクに! -
毎月月末にレシート整理を習慣化
→ まとめてやろうとすると、地獄を見る…。 -
Googleスプレッドシートで収支一覧を可視化
→ 「あれ?思ったより経費かかってない?」など見えてくる。
8. おわりに|経理は「自分の事業を育てる」ための道具
経理って、最初はちょっとめんどくさい。
でも、お金の流れを把握することは、未来のあなたのビジネスを守る大事なスキルなんです。
一度コツを掴めば、きっと「やっておいてよかった!」と思えるはず。
「鍼灸師=技術職」だけじゃない、事業主としての自分も育てていきましょう。